藍染はあなたを優しく守る

僕達は栃木県佐野市で藍染をしています。
そのきっかけは2011年、東日本大震災の時期にさかのぼります。母が縁から佐野藍復活プロジェクトに関わらせていただいた流れがあったのです。

かつて栃木県佐野市は近隣都市と合わせ繊維、織り、染色の盛んな地域でありました。

多くの家庭で織り機があり、藍龜があり。
秋山川に沿って紺屋が並び、水面を藍が泳ぐ景色があったと聞きます。
自分の暮らす街の歴史や産業、風土
東日本大震災という出来事の後
巡り巡って触れ、学ぶ機会をいただきました。

カッコいい、面白い、気持ちいい。
正藍染にはじめて触れた心の声。
無酸素状態の藍液から、空気に触れ一秒一秒
変化を見せるハンカチーフ。
茶色から緑、そして蒼

あの藍の青をもっと知りたい
触れたい、感じたい、欲求は膨れ
向き合うようになっていきました。

「伝統や歴史には理がある」
合理化や化学技術にも勝るような魅力と機能
正藍染めの中には沢山あります。
自然の恵みと先人の研鑽
正藍染めの澄んでいて深く軽やかな青
その中に確かな効果、効能があったのです。

夏涼しく、冬温かい。紫外線から身体を守り
抗菌、消臭防虫効果がある。
肌触りが良くしなやかでありながら丈夫
そして耐光堅牢度がある。

素晴らしい能力を秘めた染色でありますが
当然手間暇がかかり、藍液に住む微生物の
調子や機嫌、天候、環境、染師の技術や
精神状態など様々な要素が複雑に絡み
時間やエネルギーを要します。

大量生産が難しくコストや時間
労力の兼ね合いで化学による染色が
世の中の主流になってしまったのです。

日本の多くの人が自然の驚異に触れた3·11
当たり前の日常が当たり前じゃないと知った日
何が大切?どう生きていく?
沢山考え、学びました
僕はこの星に感謝をして生きていきたい。
そう思ったのです。
自然との共生。森羅万象、共に手を取り歩むことが出来たらと


新型コロナウイルスに揺れる世界
大変な時期こそ正藍染めがあなたに寄り沿ってくれるはずです。藍染はあなたを優しく守る。そんな素敵なアイテムです。